| 第1話 アレックス・ロドリゲスが街にやって来た! 2004/02/16 |
ない、絶対ない、そんなこと起こるはずがないと思っていたことがとうとう起こってしまった。なんと、エイロッドがヤンキースに仲間入りしたのだ。もちろん、アーロン・ブーンがばか正直にも、契約破棄を意味するバスケットボール遊びで膝を痛めたことを告白したときから、エイロッドの名前が頭のどこかで見え隠れしていたことは事実である。しかしそれは、星の数ほどもある理由から憶測の域を出なかった。
まず第一に彼はメジャーリーグ史上最高のショートストップである。サードに鞍替えするなんてあり得ないはずだった。そしてヤンキースには、まだ結婚していない全ての米国人女性が一度は将来のハズバンドとして妄想の対象にするあのデレク・ジーターがいる。エイロッドのOPSが100以上高くても、ホームランの数が5倍近くであっても、そんなことは関係ない。ジーターの指には4本のチャンピオンシップリングが輝いており、エイロッドのチームは西地区でペケ。どんなに活躍しても10月になればエイロッドの「エ」の字も聞かれなくなり、ジーターは毎年必ず「ミスター・オクトーバー」となる。それが現実なのだ。ショートストップの座を確保しているジーターがいる限り、ヤンキースとエイロッドは無縁のはずだった。さらに3年前の「ジーターあざけり事件」もある。遠征の度にジーターの家に泊めてもらってたのに、「一番、二番打っているやつと三番、四番打っている選手は違うんだ」はないよね。まあ、ジーターがシアトルでエイロッドの家に泊めてもらってたのも事実だけど・・。他の理由として、アスレチックスが今シーズン末にべらぼうな年俸を取られる前にシャベスを出したがっていた事実も挙げられる。ブライアン・キャッシュマンが自分の判断で呼び込んだ不調ブーンのケガを機会に、シャベスを獲得してクラウセン放出の失敗を取り戻そうとすることは誰の想像にも難くなかった。ほんの一週間前にレンジャースがエイロッドをキャプテンに指名したことも大きい。晴れてチームの大黒柱となった選手にたった一週間でさよならなんて、あまりに恥も外聞もない行為と言えよう。他にもエイロッドがヤンキースに「来ない」理由は山ほどあったし、2月6日にそれまで活躍の場がなかった三塁手のマイク・ラムを(同じレンジャースから!)獲得したときに、その可能性は完全に消えたはずだった。にもかかわらず、アンシンカブル(unsinkable)なタイタニックの沈没よりも意外なできごととして、アンシンカブル(unthinkable)なエイロッドが来た。20ミリオンをケチったボストンにとって、これが第二のベイブ・ルースとなるのは火を見るよりも明らかである。レッドソックスよ永遠に眠れ、エイロッド。違った、エイメンでした。
神がかったついでに、かつて90年代にシアトルファンが好んで使っていたスローガンをここに記しておこう。
重要なイニングには名前があった
その名前はエイロッドとともにあった
その名前はエイロッドだった
注)日本語で書くとなんだか分かりませんが、聖書の有名な一節をもじったものです。
英文:" In the big inning, there was the Name, and the Name
was with A-Rod, and the Name was A-Rod."
参考までにスローガンのもととなった聖書の一節:
" In the beginning was the Name, and the Name was with God, and the Name
was God." (John 1:1) |
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NY
ヤンキース便り
『オニールのバット』
by ぼよよん
様々な文化系雑誌に寄稿するかたわら、13年間培ったメジャーリーグペースボールの知識をあおぞらマーケット読者に思う存分ぶつける。1994年のアンパイヤによるストライキをいまだに悔やむしつこい性格も。今年の松井はホームラン35本と予測!
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| 第1話:「アレックス・ロドリゲスが街にやって来た!」 2004/02/16 |
| 第2話:「今シーズン前半のポイントを総まとめ」 2004/07/12 |
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エイロッド:
アレックス・ロドリゲスの愛称 |
ブライアン・キャッシュマン:
ヤンキースのジェネラル・マネジャー |
シャベス:
エリック・シャベス。オークランド・アスレチックスの名三塁手。 |
クラウセン:
ブランドン・クラウセン。かつてヤンキース期待の新人投手だったが、アーロン・ブーンのトレードでシンシナティ・レッズに送られた。 |
マイク・ラム:
テキサス・レンジャースの三塁手。これまで才能がありながらもハンク・ブラロックにポジションを奪われていた。 |
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