お問い合わせ先
『初秋』
2005/10/05 UP

ひと月前があんなに暑かったなんて、幻だったのかと疑いたくなるほど。8月から9月になる時のこの風向きのシャープな切り替えしといったら、まるでイワシの群れのヒレさばきのよう!消費社会のカレンダーに乗っかってるのもあるでしょう。8月31日までは「夏だ!生ビールだ!焼き肉だ!」で、9月1日からは紙を一枚張り替 えて、「秋のきのこ祭り!」。ショーウィンドーのディスプレイもテレビもレストランのメニューも、一丸となって世の中の合い言葉はこれですよと高らかに唱えてあやかろうと骨を削り、人々はそこからも「秋だなあ」と感じて、「栗食べたい」などと言い出す。先週までスイカ切って食べてたのに、店先にそんなのが置いてあったら随分違和感を感ずる。都会の季節感は人為的に煽られる。ひとり言はおしまーい。

実際に海に行くと、寄せる波が白やピンクのクラゲだらけでした。入る気など毛頭なかったのですが、今年最後と思って行ってみたのです。舞台の装置で大きな布に白い丸を描いて、布の端々を持ち、波のつもりではたはたやってるみたいにわかりやすくて笑えました。

秋らしく、りんご狩りまでしました。なんとなく寒いんじゃないかと厚着をしてい けば、妙に蒸し暑かったのには参りました。おいしいゴールドなんとかや、なんとか かんとかを採って、さらにラズベリーへ。これが息子の大好物だったのですが、採っ て箱になど入れず、全部口の中にふがふが言いながら放り込み、採ってる間が惜しく なったか、私の箱に手を突っ込んでふがふがやっているではないですか。クッキーモ ンスター状態。「雨が降りそうだからちゃんと働け」と言っても午年の子の耳に念仏 なんだか、手に取った実はとうとうひとつとして箱に入りませんでした。お友達用に 採った分のラズベリーも、いつの間にか車中で消えて、運良く腹痛も起こさず帰りま した。

大口一葉 ふかふかまんじゅうキック


そう、9月といえば学校ですね。うちのも週に2日、ナーサリーに行っています。 幼稚園とでも言いますか。アパートのある建物から2ブロックくらいのところにあり ますが、いや初日の朝のすがすがしさと言ったらありませんでした。朝8時の開門に 向けて歩いて行くと、陽は横から射しているし、空気はひんやりしているし、通行人 はまさに学校に向かって歩く親子連れのみ。特別なタイミングに集団大移動をする生 き物にでも出くわしたような感動と、「ほ、保護者らしい、わたしって」という感動 と、うまく子どもを預けて出てこれるかという心配でドキドキするのもつかの間、一 番乗りでナーサリーに入り、遊びに夢中になってる息子に一応帰る由を告げて、まさ に逃げるように「すたこらさっさ」と窓の外まで行って、ばいばいをしました。その 後もまだ「すたこらさっさ」モードが抜けきれずにお父さんと二人でコーヒーショッ プを目指して進んだのですが、変な歩き方だったかもしれません。

初日こそ泣きませんでしたが、2日めには行きたくないと言い出して、今は顔中涙
鼻水でべろべろにして泣き叫ぶのに服を着せて行くのです。先日はお父さんに抱えられ、「ダディー、わかった、僕歩くよ」と言って降ろしてもらってから反対方向へ走り出すなどと、知恵がついてきました。

あんまり号泣するので、送った後などお父さんはことに胸を痛め、お昼を過ぎても痛そうにしているのですが、道でママ友にばったり会ったとき、「幼稚園の前で会ったけど、めっちゃ楽しそうやったでー。顔が全然違うねん、いつもの感じやないねん。先生にウチの子指差して友達や言って紹介してくれたでー。大人やったわ。」やっぱり大丈夫なんだよお父さん。

こちらのショーウィンドーはハロウィンですね。栗とか柿とかキノコとかサンマとか、そういう身近に感ずる秋はメディアに乗ることはなく、今月末の大イベントに向けて突っ走っております。何の仮装がしたい?と聞いてみたら、「はち」と答えまし た。怖くないなーと思いましたが、こんにちのハロウィンはそんなものかもしれません。昨年の息子の友達は「ニワトリ」のコスチュームをどこかで見つけたとかでそれでした。お母さん(ウルグアイ人)は「米」で、お父さん(イタリア系アメリカ人)は「農夫」でした。どうもチキンとお米で作る料理に関連しているようですが、ハロ ウィンとか怖い仮装には無関係でした。その頃私達は日本にいたので、あとから写真を見せてもらうと、顔だけ丸く出してあとは全身白タイツにピンクのミニスカートで、「米」とスペイン語で書かれた段ボールの名札を首からぶら下げて歩く満点スマイルのお母さんの印象が強烈に残りました。はてさて、それで行くと、「はち」、「花」、「蜂の巣の張りぼてをくっつけて歩く女王蜂」かな。

大口一葉 ふかふかまんじゅうキック


Kazuha Profile
BACK NUMBER:
2005/10/05 初秋
2005/09/20 八月の里帰り(2)
2005/09/05 八月の里帰り(1)
2005/08/20 階段
2005/08/05 子育てガイド
2005/07/20 オコトバ
2005/07/05 さそりの親子
2005/06/20 夏の立ちション
2005/06/05 泣き顔
2005/05/20 イーストビレッジの涼
2005/05/05 ごはんの時間
2005/04/20 ひなたでじっとり汗にじむ4月
2005/04/05 イースター
2005/03/20 息抜いてー、抜いてー、止めて、はい吸ってー
2005/03/05 晩冬の3本
2005/02/20 男の子らしくマニアック
2005/02/05 2歳児と山の天気は変わりやすく
2005/01/20 シェア
2005/01/05 気分は春の海にしておこう
2004/12/20 おじさん人形
2004/12/05 ソドー島民みたいに生きたら。
2004/11/20 ニアミス
2004/11/05 お母さん、これは湯呑みです。
2004/10/20 おとーさーん
2004/10/05 アートのお時間
2004/09/20 おっぱいやめたい
2004/09/05 思いやってくれる日
2004/08/20 感動のダイパーチェンジ
2004/08/05 アナタニモ、ゴハン、アゲタイ。
2004/07/20 丸腰 中腰 および腰
2004/07/05 工夫
バックナンバー一覧
 
大口一葉さんへのご意見、ご感想、ご質問は、こちらのフォームをご利用ください。
HOME NY STORY フカフカまんじゅうキック by 大口一葉
Copyright © 2005 Heliopolis Systems Inc. All rights reserved.