「さそり座の父と息子は、牡羊座のお母さんを取り合うんだって」と、その昔お父
さんが本の立ち読みをして教えてくれましたが、いやめでたくそのとおりの星座配分になり、さらにそのとおり、取り合っています。
幸いなことに、私は夫からも息子からも多分に愛されており、どんな感じかといえば、時々動物園で大型動物の飼育係になったかのような気持ちになります。
抱き付かれてるんだけど押しつぶされてたり、抱き付かれてるんだけど体当たりだったり、片方が足揉んでと言えば、片方は壊れた線路を直してくれと涙で訴える。お父さんとふたりきりになんてなったら、2秒くらいで現れる。お父さんとチューなんてしようとすれば、さっと手が出て妨害、横取りです。あんまり取り立てが(邪魔が)厳しいので、お父さんも「hey!that's
my wife!」と文句を言っていますが、効果はありません。まさにサソリとサソリが毒牙の尻尾をたがいにシャキーン!と振りかざして戦っているかのようです。
これ以上の幸せはないのですが、母を愛しているからと言って、母の言うことを全面的に聞いてくれるわけはなく、むしろ「甘えている」ということなのかてこずることがほとんどで、なかなかの体力勝負ということになり、わたしはいつも眠く、家では母はいつも床に近い体勢で家族と接しているのでした。
さそりのふたりは遺伝なのか、とてもしつこいところが同じで、それゆえにたがいにしつこがってもめるのですが、私が怒るとたがいににやにやして「あ、怒った」とか言っているらしいです。そんなわけで、つるむとふたりはよいコンビで、とくにレストランなどで女の人達と仲良くなるのに、よーく適しているらしく、ふたりで出かけたあとはたいていどんな女の子やおばさんとあったかとか、そういう話を聞くのです。
子を産んでから、珍しく実家の父と電話で話していたら、何かの拍子に父が「母親がいつも元気にしていたら家は大丈夫だ」と言いました。わたしはいつものように、まともに受けてしまい、「えーっ!そんな、それじゃ母親大変だよっ!父親はいいのか!」と抗議しだしたものの、妙に説得力があって、認めざるを得ませんでした。そんな、認めたからといってどうしても自分がいつも元気でいなくたっていいのに、つい真に受けて、これからお寺の石段をうさぎ跳びして上がる覚悟でもするように眉間にしわ寄せて、しばらく悩んだこともありました。・・・が、母は、もうそのことでは悩みません。それより明日のごはんのやりくりに頭使っておかないと。
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