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日陰が涼しい天気のよい秋の日に、ダウンタウンに子供にアート体験を気軽にさせてくれるところがあるというので、近辺に工事現場の多いそこへ、ミキサー車の轟音の横をストローラーをすべらせながら行ってきました。
4つの区画に、粘土に壁のらくがきに積み木にシール張りに絵の具でお絵描きにボール池に楽器などを用意しておき、1時間のあいだにその4つのしきりを順に開けていき、子供たちを飽きさせないように仕組んでありました。
初めての「絵の具でお絵描き」に息子はすっかりはまってしまったようで、紙の同じところにどっぷり絵の具のついた筆をぬりぬりぬりぬり重ねること15分くらい、厚手の紙も水を吸ってそこだけどんぶりのように歪んできました。
いっしょに来た友だちのルカなどは、さささと筆を走らすとお母さんがそれを取って、手際よく用意してある物干しにそれをつるして乾かしているではありませんか。
「持って帰る気満々ね、ギャビー。」つぶやく私。
そのうち先生の「さあみんなー、音楽の時間だよー!」の声に、お母さんたちは子供を椅子から下ろして手を洗わせ、慌ただしく次へ行ってしまいました。うちの彼の他はみんな。
他の先生が来てその辺を片づけに来てしまってからも、彼は「ノー」とはっきり言って筆を離さず、先生に宇宙語でその理由を述べて時間を引き延ばし、とうとう「あなた、面白いわ、でももう出てってくんないと困るのよ」と来たので仕方が無い。悲壮な顔つきで拒む彼を私ははがいじめにしてお手洗いに引きずって行きました。落ち着いたところで一応その立体的な紙を干してみたが、まあ、どう眺めても4ミリは絵の具の厚さがある。乾けったって12時まであと5分じゃ話にならん。余裕を見て4、5時間欲しいところだもの。それでもどーしても捨ててしまうことができず、なぜか「ひまわりの押し花」を頭に浮かべながら、上に1枚紙をのせて丸めて持って帰りました。
その日の二人の夕飯は、あまり物を集めてトン汁でした。
ご飯を作る私の脇で、切った野菜を皿から皿へ移して遊んでいた彼ですが、どうも食べたくなさそう。結局座ってスプーンを握ると、トン汁すくってごはんにかけて、水をすくって口に入れてニヤリ。鼻歌まじりでトン汁を水へ。母のこの細い目が四角になってるところへ彼はスプーンを振りかざして「これは画期的だ!」とでも言いたげに目をきらきらさせている。それでも何か言わなければならない。「とっても行儀の悪いことしてるんだよ・・」水の入ったコップはどんどん濁って「うわあ!」と嬉しい声と共にねぎもごぼうも入った。「食べ物で遊ぶとばちが当た・・」そのコップをつかんでそれ飲んじゃうんだもんなあ。全部は飲まない。でも「プハアー!」と満足そうだ。
「食べないんなら・・」あとはもうアートクラスとトン汁の境がよくわからなくなってしまう。・・なんて思いを馳せてるヒマはないのじゃ、もうおしまい、椅子から下りなさい!
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